Daryl Jamieson

composer

Current Research Interests



私の作曲実践は能の理論及び実践、日本の伝統的楽器(邦楽器)、ニューヨーク・スクールに影響を受けたもの。日本の芸術と詩歌からも強い影響を受けて、特に音楽的時間と心理地理学に深い関心を持っている。研究活動も並行して活発に行っており、京都学派の美学、現代音楽と精神性に関する論文を執筆中である。

(私の作品と作曲のインスピレーションに関する発表「
日本と私」{2016年}をご覧下さい。)


論文



カナダの音楽的「モザイク」と文化の盗用論


日本音楽学会西日本支部 50回(2020年7月11日)
https://rcjtm.kcua.ac.jp/pub/msj/#0711

 
要旨:

カナダ文化はそれが「モザイク」であることを誇っている。そこは多様な移民文化がそれぞれのアイデンティティーを失わずに混ざり合う空間である。音楽に関していえば、カナダ人作曲家は、自身が育ったそれではない文化から様々なインスピレーションを受けてきた。例を挙げれば、バリのガムラン音楽に基づいた作品を西洋の作曲家の中では初めて作曲したコリン・マクフィー、カナダ先住民ニスガ族の歌をオペラの傑作「ルイ・リエル」に加えたハリー・サマーズ、感性の形成期に日本を含むアジアを旅して音楽的刺激を受けたカナダで最も知名度の高い作曲家クロード・ヴィヴィエ、そしてヨーロッパ大陸からカナダの先住民の音楽に至るまで幅広い素材を用いてコラージュ作品を作曲するフリストス・ハッツィス。
 近年では、こうした異文化の借用がマスメディアでもアカデミアにおいても「文化の盗用」であるとして問題化され、批判を加えられてきた。本発表は、「文化の盗用」というレンズを通してカナダの代表的な現代音楽作品を検証し、芸術表現における自由と自身が属さない文化に対するセンシティヴィティのバランスをどう図るか検討するものである。そして「文化の盗用論」の議論が日本のアーティストや聴衆に対して意味するところを慎重に考察する。
キーワード: 文化の盗用論、オリエンタリズム、カナダ音楽史、クロード・ヴィヴィエ



Spirit of Place: Zeami’s Tōru and the Poetic Manifestation of Mugen


European Network of Japanese Philosophy, Nagoya, Japan(2019年8月)
 
要旨:

本発表は、世阿弥が生み出した「夢幻能」という作劇法において多用される和歌理論や歌枕について、そのもっとも典型的といえる形式を備えた能《融》を題材として、京都学派の哲学者である上田閑照の言語理論を介して分析。



Uncanny Movement through Virtual Spaces: Michael Pisaro’s fields have ears


in MUSICultures 45 (1-2), pp 238-54
 
概要:

アメリカの作曲家Michael Pisaroが書いた作品シリーズfields have earsに見られる生態学的要素を、生態心理学に基づく生態音楽知覚理論によって分析し、音源の場所と空間における聞き手の位置が音高とリズムに等しく重要であることを論じる。尚、この生態知覚理論は、京都学派の上田閑照の知覚理論と共通点が多い。
Keywords: Michael Pisaro, Wandelweiser, ecological perception, Kyoto School



Hollow Sounds: toward a Zen-derived aesthetics of contemporary music


in The Journal of Aesthetics and Art Criticism vol 76/3, pp 331-40
 
概要:

京都学派の哲学者上田閑照の言語理論を、現代音楽に適用して分析した論文。上田の理論によれば、言葉には「記号」「象徴」「虚」という三様の働きがあるが、同様の概念を用いてモートン・フェルドマンのThe Viola in My Life (2)の聴取を提案し、その聴取の分析結果を、ドイツ観念論に基づくロマン主義的な音楽聴取論と比較して論じた。
Keywords: Kyoto School, Ueda Shizuteru, Morton Feldman, Jonathan Harvey, aesthetics of contemporary (atonal) music
 


I have always been interested in both the theoretical aspects of music as well as the practical business of music making. When I was a PhD student, I published two musicological articles, the abstracts of which are below:

Real Frogs in an Imaginary Pond: Magical Realism and Morton Feldman’s Untitled Composition for violoncello and piano


presented at the 2006 International Musicological Society’s annual meeting in Gothenburg, Sweden
 
概要:

本論文は、マジックリアリズムの考え方を、演奏時間1時間を超えるフェルドマンの後期作品に適用した分析。
 
 


Marketing Androgyny: the evolution of the Backstreet Boys


Popular Music (2007), 26/2, Cambridge, Cambridge University Press, pp 245-58. available for purchase here.
 
概要:

1990年代の男性アイドルグループ「The Backstreet Boys」とその音楽、ビデオ、写真、ファッションを対象に、クィア理論を適用して分析を行った。